夜空に泳ぐチョコレートグラミー(著:町田そのこ)【読書感想】

 

 

 

※本の内容のネタバレを含みます※

 

 

 

短編集の形態をとっていますが、群像劇という感じで、収録されているそれぞれの短編内の登場人物が、少しずつ繋がっている物語でした。

単独で読んでも全然意味がわかるし、面白いけど、続けて読むともっと面白い、みたいな。

この作者さんの作品を読んだのはこれが初めてだったのですが、私はとても好きだ!と思いました。お話の世界観がね、私の好みドンピシャ!って感じで。文章も読みやすいけど繊細で綺麗だし。とてもとても面白かったです。

 

物語中、人を魚に例えた表現が何箇所かに出てくるのですが、その表現がとても美しくて。

でも物語自体は美しいだけじゃなくて、むしろどのお話もどこか切ない雰囲気が漂っていて、辛い過去や息苦しさを抱えながらも懸命に生きて光を探しているような描写が印象的でした。

それぞれの登場人物が抱えているものが「自分の努力ではどうしようもないこと」なんだけど、スレないし逃げもしないし真っ直ぐなのがすごい。

だからこそ、心に刺さる場面がたくさんでした。

本を読みながら、何度涙腺が緩んだことか。

なんだか……みんな幸せになってほしいなあ、って。物語を読んでこんなに切に感じたのは久しぶり。

 

最後のお話「海になる」で、桜子さんのところに晴子ちゃんが来た時は、痺れたな〜。

「海に果てなどない。彼女の苦しみが巡り巡って私のところへ辿り着き、私を救った。流した涙は、いつか誰かに優しく辿り着く。ひとは誰かを育むものになれる」

この桜子さんの言葉、まさに! って感じで。

ていうか、このお話をこの短編集の最後に持ってくるという構成も素晴らしすぎると思いました。

 

ぜひこの作者さんの他の作品も読みたいです。

 

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