優しい音楽(著:瀬尾まいこ)【読書感想】

 

 

 

※本の内容のネタバレを含みます※

 

 

 

短編集。独立した3つの短編が収録されています。

どれも可愛くて温かいお話でした。読んでいて、とても癒された……。

 

3つの話ともが、「現実にはあり得ないだろ!」という設定ではあったし、

特に2番目に収録されていた「タイムラグ」というお話は「不倫相手の子供を一日預かって一緒に過ごす」っていう、なかなかな設定のお話だったんだけど……本当に可愛くて温かくて。

子供と一緒に不倫相手の父親まで訪ねに行くんだけど、そこで「女性の耳が聞こえない」という理由で結婚に反対している父に対して、「サツキさん(←不倫相手の妻)はいい人です」と熱弁する主人公が良い人すぎるし、子供の方もお父さん・お母さんを好きだからこそ理解している感じが、すごく良かったです。

そして、最終的に主人公はこの不倫相手の子供と仲良くなって、2人で楽しそうに過ごす描写がとても可愛くて、温かくて素敵。

だけど、「この主人公すごく良い人なのになんで不倫とかしてるの」っていう気持ちにも読んでいてなったりw

でも「なんで不倫相手の子供と仲良くなってんの」という気持ちには、不思議とならないんですよね。

たぶん仲良くなるまでの過程が、短い文章ながらも、説得力のある描かれ方をしているからなんだろうけど。

 

これは3つとものお話に共通していて。

「優しい音楽」では「亡くなった弟にそっくりな彼氏」

「がらくた効果」では「同棲相手が初老ホームレス男性を拾う」

……という、現実離れした設定ながら、その関係性が「ありうるかもしれない」と思わされるというか。

現実離れしているけど、それだけじゃなくて、「こういう関係も、素敵だな」と思えてしまうというか。

そういうところが沁みて、温かみとフェイクションならではの良さを感じました。

心が疲れている時に読みたいような本だな〜と思いました。