電気じかけのクジラは歌う(著:逸木裕)【読書感想】

 

 

 

※本の内容のネタバレを含みます※

 

 

 

特に知らなかった本だったのですが、タイトルと装丁が素敵で、手に取りました。

詩的なタイトルに、美しいイラストの表紙〜! かっこいい。

内容は、近未来を舞台にしたミステリー小説でした。

 

物語の舞台は、今より少し先の科学が進んだ時代。人工知能がその人の好みに応じて作曲を行なっているという世界。

リスナーが自分の好みで作曲ができるため、音楽はタコツボ化し、作曲家の仕事が激減しているという、、、想像するとなんとも恐ろしいなと思うと同時に、本当にこれからこんな時代が来るのかもしれないという、面白さがある設定でした。

主人公は元作曲家なんですが、主人公と一緒に昔バンドを一緒に組んでいた天才作曲家・名塚が謎の死を遂げ、その謎を主人公が解明していくというお話。

 

この謎解きも、謎が一つ解けたと思ったら、また新たな謎が生まれて、、、という感じで、ドキドキしながら最後まで緊張感を持って読むことが出来たし、最後に分かる名塚の「三人でもう一度演奏をしたかった」という想いもとても良かったんだけど、

でも物語の本当の主題は謎を解くことではなく、「機械が作曲をできる世界で、人間が作曲をする意味は何か」ということのように読めました。

 

物語には様々な音楽家が登場し、どの人物もその人物なりに悩んで音楽をしているからこそ、それぞれの音楽論があったのですが、

物語中で主人公が悩んだ末に出した結論が、とても良かったです。

「音楽は、波及する」「僕らはただ、作ればいい」「作れば、それは必ず、何らかの形で誰かに波及していきます。小さな波及しか起こせなかったとしても、それを受けた誰かがまた何かを作り、やがて大きな波になっていく」

「ありえるかもしれない」と思うような未来が舞台となっていたからこそ、この結論は、「本当に将来そんな世界になったとしても、人の手で作られる音楽は無くならないのだろう」という希望が持てて、嬉しかったです。

 

しかし出した結論は良かったんだけど……主人公が基本どうしようもないクズで。

自分は傷つきやすいのに他人を思いやれないし、言い訳がましいし、押し付けがましいし。途中でちょっといい感じになった片手ピアニストの女性・梨紗に裏切られる展開があったのですが、梨紗に同感しかないw 最後まで好きになれなかったー。

そして主人公がそんなんだから、すごく読みづらかったです。 話自体は面白かったんだけどね……。

 

 

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