ぷくぷく(著:森沢明夫)【読書感想】

 

 

 

※本の内容のネタバレを含みます※

 

 

 

金魚が主人公の、金魚目線で書かれた小説でした。

斬新すぎて、読み始めはめちゃめちゃ戸惑いました。

が、とても面白かったです。

 

「ユキ」という金魚の目線で飼い主の「イズミ」という一人暮らしの女の子のことが描かれていたのですが、

ユキのイズミへのもどかしい想いと純粋な愛情が、すごく伝わってきて、苦しいぐらいになりました。

 

ユキはイズミのことが本当に本当に大好きで、誰よりも彼女のことを想っていて。

でも声をかけたくても、触れたくても、できない。何もできない。

いつでも金魚鉢のガラス一枚隔てた場所から、眺めていることしかできない。

ユキがそんなどうしようもない、なんとも言えない感情になった時に「ぷく」の言葉が書かれていたのですが、それが作中に何回も何回も登場していたもんだから、切ないのなんの。

 

イズミが悩んでいる時に、親友のチーコが駆けつけてくれて話を聞いてくれるのですが、

その時にチーコがイズミにかけた言葉が良かったです。

「違いと嫌いはイコールじゃない」

「心って、傷つかないんだって。ただ磨かれるだけ。やすりがけと一緒で、磨かれている時は削られて痛むけど、でも、ごしごしってやっているうちに最後はぴかぴかに光るでしょ?」

胸にある火傷跡に深く悩んでいるイズミに、チーコがこう言ってくれたのですが

チーコみたいに、優しく寄り添うみたいに話を聞きながら、元気付けてくれる親友がいるイズミは幸せ者だな、と思いました。

 

ラストにはびっくりしました!

先輩=太陽さん、コーヒースタンド店員=ストーカーだと思っていたら、まさかの逆だったとは。

 

ユキは新しい金魚仲間ができたし(その時に今まで「淋しかった」とユキが気がついた描写が切なくて、とても良かったです)、イズミは太陽さんと幸せそうにしているし、

ユキにとってもイズミにとってもハッピーエンドで終わったので、読み終わった後は温かい気持ちになりました。すごく素敵な読後感!

 

最後の方でそれぞれのコンプレックスであるユキの頭の柄とイズミの胸の傷と、同じハートの形をしていたと最後に気がつくシーンも良かったです。

 

「これからも2人と2匹で、幸せに暮らしてほしいな〜」と、見守るみたいな気持ちで思いました。

 

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