ネコばあさんの家に魔女が来た(著:赤坂パトリシア)【読書感想】

 

 

 

※本の内容のネタバレを含みます※

 

 

 

不登校の女子高校生が、近所のおばあさんとおばあさん宅に来たイギリス人男性・ニワトコさんと接する中で、心がほぐれていく物語。

 

このニワトコさんがとても料理上手で、イギリス流の和食をいくつも作っている場面が描かれているのですが、どれも美味しそうすぎて印象的でした。真似して作ってみたくなる感じー!

サブタイトルもほとんどがお料理の名前で、目次を見ているだけでも楽しい気持ちになります^^

「アールグレイういろう」とか、簡単そうだし今度作ってみたいなと思います。

 

物語自体は、主人公が「高校に行くことが怖い」ということと「お母さんとの関係性に悩んでいる」状態で、そこから自分なりに気持ちや家族と折り合いをつけていく様が描かれているという、わりかし重い主題だったんですが、

この料理シーンが良い感じに合間に挟まっていることで、物語全体の雰囲気が柔らかいものになっていて、とても読みやすく感じました。

しかも料理シーンは蛇足的に入っているわけではなく、物語の進行上重要な役割を果たしているところが、良かったです。

 

最初はニワトコさんにご馳走になるばかりだった主人公が、ニワトコさんに「とりあえず、自分で自分のごはんを作れるようになるといいよ」「自分の体の中に入ってくるものを、自分で選べるって、とても良いことだよ」と言われたことがきっかけで、自分から料理をするようになっていく場面とか。

主人公が悩んでいて食べられなくなっている時に、ニワトコさんが「君には選択肢がある」「お腹がすいたまま人生に絶望するのか、俺が作るめちゃくちゃ美味しい朝ごはんを食べながら人生に絶望するのか、だ」と言ってくれる場面とか。

すごく素敵でした。ニワトコさんが素敵な青年すぎる〜!

 

主人公が悩んでいたお母さんとの関係性は、「お母さんが自分と一つの生き物であるみたいに、行動する」ということなんですが……

こういう親子って、本当にいそうだよねー、と思いました。そして女子高校生の段階では、そこから脱出するのがなかなか難しいというか。

でも主人公がニワトコさんと出会って、色々な話をして、自分で自分のご飯を作れるようになって、前向きになっていく。その過程と姿がとても自然に描かれていて、すごくスッキリとした読後感でした! 面白かったです。